不動産売却の媒介契約とは?一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の違いを宅建士が解説

不動産会社に家の売却を依頼するとき、

「一般媒介と専任媒介、どちらがいいの?」

「何社にもお願いした方が早く売れるのでは?」

と迷われる方も多いのではないでしょうか。

不動産の売却を不動産会社へ依頼する際には、基本的に「媒介契約」を結びます。

媒介契約には、

・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約

の3種類があります。

名前が似ているため分かりにくいのですが、それぞれ依頼できる不動産会社の数や、レインズへの登録、販売状況の報告などに違いがあります。

今回は、不動産業界に30年以上携わってきた経験も踏まえながら、3種類の違いと、媒介契約を選ぶときに確認しておきたいポイントを分かりやすく解説します。

■そもそも媒介契約とは?

媒介契約とは、家や土地などを売却するときに、不動産会社へ買主探しや売却活動を依頼するための契約です。

不動産会社は媒介契約を結ぶと、物件の販売活動を行い、購入希望者探しや条件交渉、売買契約、引渡しに向けた手続きなどをサポートします。

査定を依頼しただけでは、媒介契約にはなりません。

査定内容や販売方法などを比較し、

「この会社に売却をお願いしよう」

と決めた段階で媒介契約を結びます。

不動産会社を何社くらい比較すればよいか迷っている方は、「不動産売却で不動産会社は何社比較すればいい?後悔しない選び方を宅建士が解説」も参考にしてください。

■媒介契約は3種類あります

まず、大きな違いを見てみましょう。

一般媒介専任媒介専属専任媒介
複数の不動産会社へ依頼できるできないできない
自分で見つけた買主と直接契約できるできるできない
レインズへの登録義務なし※7日以内5日以内
売主への活動報告定期報告の義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
契約期間標準約款では3か月以内3か月以内3か月以内

※一般媒介でもレインズへの登録は可能です。専任・専属専任の登録期限は媒介契約締結日の翌日から数え、不動産会社の休業日・レインズの休止日は除きます。

それぞれ詳しく見ていきます。

■一般媒介契約とは?

一般媒介契約の大きな特徴は、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できることです。

例えば、A社・B社・C社の3社に同時に売却をお願いすることもできます。

また、自分で買主を見つけて契約することもできます。

一般媒介のメリット

複数の不動産会社へ依頼できるため、それぞれの会社が持つ購入希望者へ紹介してもらえる可能性があります。

「1社だけに任せるのは不安」

という方にとっては、選択肢の一つになります。

一般媒介の注意点

一方で、窓口が複数になるため、

・それぞれの会社との連絡
・内覧の日程調整
・販売状況の把握

などを売主自身が管理する場面が増えることがあります。

また、一般媒介には、法律上、不動産会社から売主へ定期的に販売状況を報告する義務はありません。レインズへの登録義務もありません。

■専任媒介契約とは?

専任媒介契約では、売却を依頼できる不動産会社は1社だけです。

契約期間中は、他の不動産会社へ重ねて媒介を依頼することはできません。

ただし、自分で買主を見つけた場合は、その相手と直接契約することができます。

専任媒介では、不動産会社に、

・7日以内にレインズへ登録
・2週間に1回以上、売主へ販売状況を報告

する義務があります。

専任媒介のメリット

売却の窓口が1社になるため、

「問い合わせはどのくらい来ているのか」

「内覧した人はどこを気にしていたのか」

「現在の価格をどう考えるべきか」

といった情報を、一つの会社と共有しながら進めやすくなります。

販売状況を把握しながら、不動産会社と相談して売却戦略を調整しやすいのも特徴です。

■専属専任媒介契約とは?

専属専任媒介も、売却を依頼できる不動産会社は1社だけです。

専任媒介との大きな違いは、自分で買主を見つけた場合でも直接契約できないことです。

また、不動産会社には、

・5日以内にレインズへ登録
・1週間に1回以上、売主へ販売状況を報告

する義務があります。

専任媒介よりも、売主への報告頻度が高く設定されています。

■専任・専属専任媒介では、他社には紹介してもらえない?

「専任媒介や専属専任媒介は1社にしか依頼できないので、その不動産会社のお客様にしか紹介してもらえないのでは?」

と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、専任媒介・専属専任媒介では、物件情報を「レインズ(REINS)」に登録する義務があります。

レインズは、不動産会社間で物件情報を共有するネットワークです。

物件情報を登録すると他の会員不動産会社にも共有されるため、媒介契約を結んだ会社だけでなく、他の不動産会社が自社のお客様に物件を紹介することもできます。

つまり、

「専任・専属専任媒介=その会社だけで買主を探す」

という意味ではありません。

■一般媒介なら複数社が競争して早く売れる?

「3社にお願いすれば、3社が競争してくれるから早く売れるのでは?」

と思われるかもしれません。

しかし、依頼する不動産会社の数だけで売却結果が決まるわけではありません。

不動産売却では、

・適切な価格設定
・物件写真や広告の見せ方
・購入希望者への情報提供
・内覧後の反応の確認
・問い合わせ状況の分析
・必要に応じた販売方法の見直し

なども重要です。

複数社へ依頼したから必ず早く売れるわけでも、専任媒介だから売れにくくなるわけでもありません。

私が大切だと考えているのは、媒介契約の種類だけではなく、その不動産会社が実際にどのような販売活動をしてくれるのかです。

■では、どの媒介契約を選べばいい?

「結局、一般媒介と専任媒介のどちらがいいですか?」

と聞かれることがあります。

私は、すべての方に同じ媒介契約が合うとは考えていません。

例えば、

複数の不動産会社と自分でやり取りしながら販売を進めたい方

であれば、一般媒介が合う場合があります。

一方、

一つの不動産会社と相談しながら、販売状況を確認して売却戦略を調整していきたい方

であれば、専任媒介が合うと思います。

大切なのは、

「一般か専任か」だけで決めるのではなく、売却を任せる会社や担当者の販売方法まで確認することです。

■媒介契約を結ぶ前に確認してほしいこと

媒介契約を結ぶ前に、不動産会社へ次のようなことを確認してみてください。

「なぜこの査定価格なのか」

「いくらで売り出す予定なのか」

「どのような広告をするのか」

「他の不動産会社から問い合わせがあった場合はどう対応するのか」

「販売開始後、どのような内容を報告してくれるのか」

「反響が少なかった場合、どう対応するのか」

査定額だけを比較するのではなく、売り出した後に何をしてくれるのかまで確認することが大切です。

査定価格の見方については、「家の査定価格が高い不動産会社を選んで大丈夫?売却査定の見方を宅建士が解説」で詳しく解説しています。

■専任媒介を結んだらレインズも確認しましょう

専任媒介・専属専任媒介では、レインズへの登録が完了すると、不動産会社から売主へ登録証明書が交付されます。

登録証明書に記載された売主用のID・パスワードを使うことで、レインズに登録されている物件情報や取引状況を確認できます。

不動産会社へ任せきりにするのではなく、

「きちんと登録されているか」
「現在どのような状況になっているか」

を確認しておくと安心です。

■スマイノコト不動産が大切にしていること

スマイノコト不動産では、媒介契約をいただくこと自体をゴールとは考えていません。

大切なのは、

「その物件をどう売るか」

です。

売却を始めた後も、

・問い合わせはどのくらいあるのか
・内覧につながっているのか
・購入希望者はどこを気にしているのか
・価格設定は現在の市場に合っているのか

などを確認しながら、必要に応じて売主様と販売方法を相談していきます。

売却を成功させるために大切なポイントについては、「不動産を高く売る人と売れない人の違い|売却成功のポイントを解説」でも詳しくご紹介しています。

また、他の不動産会社の話も聞いて比較したいという方には、比較していただいて構わないと考えています。

不動産売却は大きな金額が動く取引です。

だからこそ、査定額の高さや媒介契約の種類だけではなく、「この会社、この担当者なら任せられる」と納得したうえで選ぶことが大切だと考えています。

■よくある質問

Q. 一般媒介で何社にも依頼した方が高く売れますか?

A. 複数社へ依頼したからといって、高く売れるとは限りません。

価格設定や広告、物件の見せ方、購入希望者への対応など、実際の販売活動も重要です。

Q. 専任媒介にすると、他の不動産会社はお客様を紹介できないのですか?

A. いいえ。

専任媒介・専属専任媒介では物件情報がレインズに登録され、他の会員不動産会社にも共有されます。そのため、他社が自社のお客様へ物件を紹介することもできます。

Q. 専任媒介はずっと解約できないのですか?

A. 専任媒介・専属専任媒介の契約期間は3か月以内です。

契約期間満了後に更新する場合は、売主からの申し出に基づいて行われ、自動更新は認められていません。途中解約については契約内容や事情によって異なるため、媒介契約書・約款を確認してください。

Q. 査定をお願いした会社と媒介契約を結ばないといけませんか?

A. いいえ。

査定を依頼したからといって、その会社へ売却を依頼する必要はありません。

査定価格だけでなく、その根拠や販売方法、担当者の説明なども確認したうえで判断してください。

■まとめ

不動産売却の媒介契約には、

一般媒介・専任媒介・専属専任媒介

の3種類があります。

主な違いは、

・複数の不動産会社へ依頼できるか
・自分で見つけた買主と直接契約できるか
・レインズへの登録義務
・販売状況の報告頻度

です。

ただし、

「一般媒介だから売れる」
「専任媒介だから売れる」

という単純なものではありません。

私が大切だと考えているのは、どの媒介契約を選ぶか以上に、誰に、どのような方法で売却を任せるかです。

スマイノコト不動産では、上尾市・桶川市・北本市を中心に、さいたま市・伊奈町など近隣エリアの不動産売却についてご相談をお受けしています。

「一般と専任のどちらが自分に合っている?」

「他社でも査定を受けたけれど、比較してから決めたい」

という段階でも大丈夫です。

まだ売却を決めていない段階からでも、お気軽にご相談ください。

■この記事を書いた人

森戸 義浩(もりと よしひろ)

スマイノコト株式会社 代表
宅地建物取引士

不動産業界30年以上。上尾市・桶川市・北本市・さいたま市を中心に、新築住宅の購入サポートと不動産売却を専門に活動。査定から販売活動、住宅ローンや住み替えまで、お客様一人ひとりの状況に合わせたご提案を行っています。

森戸 義浩

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